目標に向かって没頭している時、その目標を達成することだけを考えてしまいます。
ただ、よく考えてみてください。
その目標を達成すること以外にオプションがある事を忘れてしまっていませんか?
また、目標達成を諦めることで、気分が落ちてしまいますが、本当にそこまで落ち込む必要はありますか?
目標を達成するために、多大なお金、時間、労力を費やしたから、なかなか諦めきれない気持ちもわかります。全てが無駄になってしまうことは、納得いかないですよね。
「得たいものは努力するから得られるのだ」という言葉に惑わされてしまいがちですが、どんなに努力をしても叶えられないことだってあります。
そして、諦めることも必要な時があるのも事実です。
・なぜ諦められないのか?
・諦めるための6つのステップ
なぜ諦められないのか?
人が諦められない理由。
それは、先ほどもお話した通り、費やした時間・お金・労力を無駄にしてしまうのを恐れているからです。
既に、時間・お金を投資してしまっているならば結果が出るまで挑戦し続けるべきという意見も理解できますが、残念なことに、どんなに挑戦し続けても納得のいく結果が得られない時もあるのです。
例えば、長年付き合った交際相手との別れたいと思っていても、今まで付き合ってきた年数(時間)のことを考えると、別れるよりも話し合ってどうにか解決した方が良いのでは?と考えてしまいませんか?今まで付き合ってきた時間が無駄になってしまうという恐れから、別れることを拒んでしまいます。
ただ、実際の所は、交際を続ける方が時間の無駄なのです。
満足のいかない関係を続けるぐらいならば、別れて、前に進む方が時間を無駄にしていません。
人は誰しも、費やしてきた時間・お金・労力を惜しんでしまい、なかなか諦める・辞めることができないのです。
諦めるための6つのステップ
何度も言うように、諦めることも大事なタイミングは必ずあります。
諦めることによって、大きく前進するのです。
ただ、どうしても諦められない時は以下の6つのステップをトライしてみましょう。
① あなたが費やしたもの、そしてこれからも費やさなくてはいけないものを書き出す
今、あなたが続けていることに対して、得ているもの・失っているものを書き出しましょう。
同時に、今あなたが続けていることを辞めることによって、得られるもの・失うものも書き出してみましょう。
実際に紙に書き出すことにより、頭の中が整理整頓され、辞めることによって得られるオプションを見つけることができるかもしれません。
② 「諦める」ではなく「辞める正しいタイミングを知る」と考える
ウィンストン・チャーチルのこんな有名な言葉があります。
「絶対、諦めるな。絶対、絶対、絶対。」
この言葉だけが、有名になり、諦めることはダメなことと捉えられてしまいがちですが、実際にチャーチルの前後の文脈を読むと、本来彼が言いたかったことはやや異なります。
チャーチルが、実際に言った言葉はこちらです。
「名誉と良心の確信があるとき以外は、決して諦めるな」
諦めることは望ましいことではないという考えにより、物事を冷静に分析できなくなってしまうことがあります。
本来は、間違っていて調整が必要なものなのにも関わらず、諦めることを避けることばかりに集中してしまい、大事な部分を見失ってしまっていることが多々あるのです。
③ 諦めることにより、新たな知恵を得る
若い人は、「失う」ことにとてもセンシティブです。
ネットサーフィンしても、ネガティブな情報ばかり収集し、ポジティブな情報よりも重視してしまいがちです。
逆に歳を重ねた大人は、何事においてもバランスよくポジティブな面もネガティブな面も見ることができます。つまり、大人になるにつれ、何に時間とお金を投資するのがベストか判断できるようになるのです。
つまり、失うものを減らし、よりスマートな決断ができるのです。
④ 「諦め」について考え直す
諦めることを拒む理由に、周囲の目も挙げられます。
例えば、結婚や起業などで失敗(諦め)することにより、周囲になんて言われてしまうのか、と気にしすぎる人がとても多いです。
特に最初はやる気と自信に満ち溢れたものに関しては、諦める時に人の目を気にしてしまうでしょう。
ただ、ここでこんな風に考えてください。
「諦めることにより、前進する」と。
諦めることが正しい決断、諦めることで立ち上がれる、諦めることにより新たな一歩を踏み出せると捉えましょう。
⑤ 全てをコントロールすることはできない
時に、どんなにあなたが努力をしても思う通りにコントロールができない事態は起こるのです。
例えば、パン屋さんを開業したとしましょう。
ただ、開業したと同時に低炭水化物ブームが巻き起こるかもしれません。
突然、大家さんが賃貸料を倍に値上げするかもしれません。砂糖の原価が値上がりする可能性もあります。
このように、あなた自身ではコントロールできない事態が起きることはよくあります。
あなたが「失敗」と捉えるものは、実際には「失敗」ではなく、あなたが原因では一切ありません。
⑥ 知識は力
人は誰しもが、自分の力ではどうしようもコントロールできない事態に直面した経験があるはずです。
そして、そんな人の殆どが、諦めきれず、損失が出るのにも関わらずトライし続けてしまうという失敗を犯してしまうのです。
なので、正しいタイミングで諦める際、気を落とすのではなく、諦めることができた自分を褒め称えましょう。そしてとてもスマートな決断を下したと思ってください。
あなたが今持っている知識は、過去のあなたは持っていません。
諦めを体験しなくては得られない知識です。
あなたが今まで費やしてきた、時間・お金・労力は、「知識」になったので、その新たな知識を使って、新しいゴールに突き進みましょう!
参考元:Psychology Today