トラウマは、心身ともに大きなダメージを与えます。
心がパニックを起こしたり、強い不安感を感じたり、無感情になってしまったり、人と距離を置くようになってしまったり、とトラウマによる症状は様々です。
レイプされてしまった経験、虐待を受けた経験は、大人になっても深い傷のまま残り続けてしまいます。
小さなトラウマから、大きなトラウマまで、トラウマの大きさも様々ですが、大小関わらず、生活していく上でネガティブな要因になってしまうことには変わりありません。
また、正しい治療を受けないと、恋愛関係にも悪影響を与えてしまいます。
・トラウマの沼にハマってしまう
・戦う、逃げる、凍結
・トラウマは、恥辱感を引き起こさせる
・トラウマは、人間関係において否定的な信念を生み出す
・トラウマが原因で、最悪なパートナーと長い交際が続いてしまう!?
トラウマの沼にハマってしまう
早い段階でトラウマを治療しないと、ストレスを感じる状況に陥ったときに、トラウマの記憶が再び蘇ってきてしまいます。
そして、そのトラウマの記憶が、あなたを「戦う、逃げる、凍結」の状態にさせてしまうのです。
脳内の「扁桃体」という部分が、緊急事態を感知すると、「戦う、逃げる、凍結」という行動を生成させるのです。
思ってもいないことを口にしてしまったり、叫んでしまったり、自分をコントロールできず暴れてしまったり、もしくは完全に拒絶してしまう行動に出てしまうのです。
このような行動に出てしまうと、パートナーはどう思うでしょう?
恐らくパートナーは、あなたから攻撃されている、拒否されている、放置されていると感じてしまい、二人の関係は悪い方向に向かってしまいます。
戦う、逃げる、凍結
先ほどもお話した通り、トラウマを治療しないと、深刻なストレス状況に陥った際、人は「戦う、逃げる、凍結」の行動に出てしまいます。
具体的にはこのような行動で、パートナーとの関係が悪化してしまいます。
戦う:言葉、暴力でパートナーを傷つける。問題が生じたときに、パートナーのせいにしてしまう。物事を解決する行動には出ず、怒りを露わにし、自分自身がコントロールできない状況を作り出してしまう。
逃げる:問題が発生しても、その場から逃げ出してしまう。パニックになったり、衝動的に行動を起こしてしまう。感情に蓋を閉じてしまう。
凍結:絶望的になる。パートナーとの関係を遮断してしまう。
トラウマは、恥辱感を引き起こさせる
トラウマは、人に激しい恥辱感を引き起こさせます。
この恥辱を感じることにより、人と距離を置きたい、人から隠れたい、人から離れたいと思ってしまったり、あなたを拒否していると感じている人々に強い怒りを感じてしまったり、と悪状況を生み出してしまうのです。
また、この恥辱が原因で、せっかく人があなたに良いことを言っているのにも関わらず、それを「批判的な意見」と捉えてしまうこともあります。
人は誰だって自分の悪いところを見られるのを嫌がります。ただ、トラウマを持っている人は、自分の欠如を見せたくないという気持ちが、さらに大きく、過剰に自己防衛してしまう傾向にあります。
自分をオープンにして人間関係を作るぐらいならば、人と関係を持たない方がいいや、という考えにたどり着いてしまうのです。
またこの恥辱感を打ち消すために、お酒やドラッグ、買い物、性行為に走ってしまう人も少なくはありません。
パートナーのニーズに応えようとする気持ち、パートナーの感情を気遣う思いやりよりも、このような中毒性のある行動に出てしまいがちです。
トラウマは、人間関係において否定的な信念を生み出す
幼少期にトラウマを経験した人は、人間関係の構築を「ネガティブ」に捉えてしまうことが多いです。
パートナーの行動をネガティブに捉えてしまったり、勝手に自分の解釈で悪い方に捉えてしまったりと、人との繋がりを全て悪い方向に考えてしまうのです。
パートナーのことを信頼できず、必要以上に束縛してしまったり、パートナーに拒絶されることを恐れ、自ら親密な関係を避けてしまったりします。
「どうせ私のことなんか理解できない」「どうせ私が求めているものなんか分からない」と独りよがりになってしまい、恋人との関係を育むことができなくなってしまうのです。
トラウマが原因で、最悪なパートナーと長い交際が続いてしまう!?
トラウマを持っている人は、常に不安な気持ちに悩まされ、愛情が足りないと感じてしまいます。
その為、最悪なパートナーと一緒にいても別れられず、パートナーの許されない言動も受け入れてしまうことがあります。
一人でいることの恐怖よりも、虐待的な愛情のないパートナーと一緒にいる方がまだ安心と感じてしまうのでしょう。
トラウマは、中毒性があり、あなたをコントロールしようとする人に執着してしまい、あなたに対して友好的に接してくれる人を拒絶してしまう傾向にあります。
もし、あなたがトラウマを持っていて人間関係の構築に悩んでいるのならば、プロのカウンセラーの力を借りて、1日でも早く治療を開始することをオススメします。
目の前に素敵なパートナーがいたとしても、トラウマが原因で、本物の関係を維持することを困難なものにさせてしまいます。
まずは、トラウマによって得る悪影響を自ら理解し、今一度人間関係を見つめ直しましょう。
また自分を愛してください。自分を愛することによって、自己評価が高まり、対立、拒否といったネガティブな感情に鈍感になります。
参考元:Psychology Today