喧嘩中のカップル、夫婦がいます。
女性側は、とても傷ついて、腹も煮え繰り返っています。彼女の旦那/彼氏は、彼女の目から流れる涙を見て、不愉快な気持ちになりました。
彼女に共感したいという気持ちどころか、彼女へのイライラが募る一方なのです。
男性はそんな強い感情をとても不快と感じ、自身の身を引こうとします。と、同時に、目の前でまだ感情的になっている彼女の姿を見て、苛立ってしまうのです。
女性側は、男性の身を引く姿を見て、不安になります。そして、どうにか彼との繋がりを保とうと、彼にしつこく付きまとってしまいます。
となると、お察しの通り、負のスパイラルの始まりです。
女性側が精神的な繋がりを求める度に、男性はどんどん身を引いてしまうのです。
男性側が、身を引いて自分の感情をコントロールしようとするごとに、女性側は不安が募っていくのです。
この様に、男女の喧嘩はどんどんエスカレートしてくのです。
この男女の喧嘩は、「愛着理論」に大きく関係してします。
愛着理論とは、人との親密さを表現しようとする「愛着行動」を指します。
この愛着理論は、幼少期に形成されると言われており、子供の頃の親との関係性は、大人になってからの人間関係に大きく影響するのです。
親と良好な信頼関係を築いて育った場合は、自分がどんな感情を表現しても親(人)に捨てられないという安心があります。
逆に、幼少期に親から十分な愛情を受けずに育った場合は、人に対して信頼・愛情を持てないまま大人になってしまうのです。
そんな幼少期のバックグラウンドから以下の3つの愛着スタイルに分かれます。
<安全型>
幼少期、親があなたの話をしっかり聞いて、ニーズに応えてくれていたのならば、親(人)は、あなたに良いことをもたらしてくれると信じています。
その為、大人になっても、人に対して悪いイメージを持たず、ちょっとした喧嘩や口論になっても、最悪な事態に起こりうることはありません。
<不安型>
恋に落ちやすく、パートナーに対して常に疑い深くなってしまう傾向にあります。
その名の通り、「いつか捨てられるのでは?」「もしかしたら浮気しているのでは?」と不安が常に付きまとい、相手を必要以上に束縛してしまうことがあります。
<回避型>
恋愛面では、密接な対人関係を苦手とします。また、人を信頼していません。その為、誰かと一緒に過ごすぐらいならば、一人の方が気楽で良いと思うタイプです。
研究によると、男女の喧嘩の70%は、「回避型」の男性と「不安型」の女性のカップルで起きていると言われています。
冒頭に話した夫婦喧嘩の旦那は、おそらくこの「回避型」のタイプでしょう。
自分の感情を表に出すことを苦手とし、人との密接な関係を拒否してしまっています。
また、妻は、「不安型」でしょう。旦那のそっけない言動に、さらに不安が大きくなり、必要以上に問いただしてしまっているのです。
では、このエスカレートしていく喧嘩はどう避けられるのか?
それは、口論になってしまった際、お互いに感情的にならずに明確に相手を必要としていることを伝えることです。
「お願いだから最後まで話を聞いて。私はあなたを必要としているの。」と伝えれば、相手はしっかりとあなたの話を聞いてくれるはずです。
つまり、コミュニケーション法を改めて考え直す必要があるのです。
先ずは自分自身が相手に何を望んでいるのか、自分の頭の中で整理しましょう。
整理をしたら、きちんと相手に伝わる言葉で明確に伝えてあげましょう。伝える際は、相手を責めるような言い方は決してしないでください。
そんなコミュニケーションの変化が、お互いの関係を変えてくれます。
相手の顔色ばかり伺って、自分が望んでいることを口に出せない人も多くいます。
ただ、これではストレスはどんどんたまり、突然爆発してしまう可能性が大きいです。そうなってしまっては、二人の関係は修復不可能になってしまうでしょう。
相手と喧嘩になる前に、先ずは自分が思っていること、望んでいることを、自分自身がしっかりと理解する必要があります。
先ずは自分が理解していないと、相手には何も伝わりません。