人を愛し、思いやりを持つことは難しいですよね。
ただ、自分自身を愛し、自分を労わる事はさらに難しいです。
自分を愛する事は、なぜここまで難しいのでしょうか?人に優しく接する事は出来ても、なぜ自分には優しくなれないのでしょうか?
哲学者プラトンはこんな言葉を残しています。
「親切にしなさい。あなたが会う人はみんな、厳しい闘いをしているのだから。」
このプラトンのアドバイスを自分自身にも活用しましょう。
・ネガティブな事に、注意がいく脳
・自分を愛すること
ネガティブな先入観
人生は山あり谷ありです。
むしろ、山の方が多いのかも?と思ってしまうぐらい、辛い事は次から次へと起き、幸せなんてやってこない、と思ってしまう人もいるかもしれません。
中には、幼少期に愛情を受ける事なく、ネグレクトや虐待を受けながら育った人もいるかもしれません。この様な、幼少期の環境が、安全・安心な場でなかった場合、大人になっても自分を愛することができず、他人を愛することが難しくなると言われています。
彼らは、過去の失敗、自分の欠点に固執してしまうのです。
神経科学の研究によると、私たちの脳みそには「ネガティビティ・バイアス」があると言われています。
ネガティビティ・バイアスとは、ポジティブな情報よりも、ネガティブな情報の方に注意が向いてしまう癖です。
また記憶も同じで、人間はポジティブな記憶よりも、ネガティブな記憶の方が、鮮明に残るのです。
そんな「ネガティビティ・バイアス」の中、自分を愛することなんて難しいことですよね。何故ならば、自分を愛する前に、自分のネガティブな部分に目が行ってしまうからです。
なので、まず自分を愛するためには、「私は、幸せになる権利がある」と認識することが重要です。
ただ、幸せは勝手に手元に届くものではありません。
幸せを得るために、私たちは必要な条件を満たさなくてはなりません。つまり、動かなくては、幸せは舞い降りてこないのです。
周囲の人が求める助け、社会が求めるニーズに気づかぬまま、生活していても、あなたのもとに幸せはやってきません。
周囲に目をやらず、自分に酔っているだけの人は、小さな自分だけの世界の中で生きていくだけです。
自分を愛すること
自分に思いやりを持つことで、心の平穏、そして幸せを掴む事はできます。
それは決して難しいことではありません。誰にだって簡単にできることです。
「自分を労わる=自分にご褒美をあげる」ではありません。
暖かいお風呂に入る、マッサージに行く、自分にプレゼントを買う行為は、確かに自分を労っていますが、もう少し内面的な思いやりが必要です。
いかに自分自身を保つか、です。
つまり、どういうことか?
あなたの中にある感情を全て受け入れる強さを持つことです。ネガティブな感情も優しく受け入れ、改善法を見つける事によって、あなたはあなた自身を保つことができるのです。
人間である事は、不快な感情と格闘することを意味します。
寂しさ、孤独、恐怖、屈辱などの不快な感情を感じた時に使える心理療法が「フォーカシング」と言います。フォーカシングのやり方はこちら。
ゆっくり深呼吸し、体の内側に注意を向けましょう。そして、不快な感情があなたの中でどうしているのか、注意を向けてください。
その不快な感情は、トゲトゲしていますか?重たいですか?硬いですか?
その不快な感情を受け入れ、体で感じてください。
頭を使ってその感情を判断するのではなく、体で感じることが大事です。
体で感じることができたら、その不快な感情に優しく話しかけてください。
「どうしてそんなに悲しいの?」「どうしてそんなに怒っているの?」と。
その様に、自分の感情に優しく向き合うことにより、自然と解決法が見えてくるのが、フォーカシングです。
自分を愛するという事は、ありのままの自分を受け入れるという事です。
無理に自分の嫌いな部分を改善したりしようとするのではなく、その嫌いな部分も受け入れる事で、自分に優しくなれます。
あなたがあなた自身の親友になるイメージです。
自分を愛することができたら、他人も愛することができる様になります。
心の平穏を保つことで、人に優しく接する余裕ができるからです。