人にはそれぞれの好みがあります。
シャンプーの銘柄、好きな色、通路側・窓側の席など、それぞれの好みはあるはずです。
つまり、日常生活の行動は、私たちの好みによって大きく変わってきますよね。
この「好み」は、異性のタイプにも見られます。
トロント大学の研究によると、人はそれぞれいつも決まった「タイプ」の人を交際相手に選ぶ傾向にあり、さらには自ら同じ「タイプ」の人を引き寄せやすいようです。
恋愛で苦い経験をし、「もうこんなタイプの人とは付き合わない!」と心に誓っても、また同じようなダメ男と付き合ってしまう経験、一度はあるはずです。
・なぜいつも同じタイプの人と付き合ってしまうのか?
・型を破って、新しいパターンを作ろう
・新しいパターンの作り方
なぜいつも同じタイプの人と付き合ってしまうのか?
日常生活の中では、決断、分析、情報をまとめるの行動の繰り返しです。
買い物1つにしてもそうですよね。
商品棚に並んだ洗剤の中からどれにしようか「決断」します。また、他の商品と比べ、金額・効果を「分析」します。
そして、実際に使ってみて、また同じものを買うか、別の商品を買うか検討するでしょう。
この様に、日々、私たちは無意識に、「決断」「分析」の行動を幾度となく繰り返しているのです。ただ、この「決断」と「分析」は人それぞれでパターン化されています。
特に歳を重ねていく事により、あなたの行動・思考はパターン化されていくので、行動に移す前に考え込むことはなくなるのです。考えることなく、体が慣れた行動・思考に出るのです。
商品を購入する際、このパターン化された行動・思考はとても役に立ちますが、交際相手となると話は別です。
例えば、暴力的な家族の中で育ったとしましょう。そんな環境で育った人は、暴力的な人への接し方を熟知しているので、「別に慣れたもんだよ」と平然な顔をして言うでしょう。
でも、暴力的な人との接し方に慣れていることが良い事かと聞かれると、なんとも言えませんよね。身近にそんな暴力的な人がいたとしても、何も感じないのは大きな問題です。
型を破って、新しいパターンを作ろう
今の状況を打破したいと思うならば、今までの型を破って、新しいパターンを作らなくてはいけません。
ただ、新しいパターンを作るのは根気が必要です。
「タバコは、体に悪い」という理由で、喫煙者が禁煙に望んでも、一日でタバコを完全に断つことがとても難しいのと同じで、新しいパターン作りは一晩でできるものではありません。
新しいパターンの作り方
根気のいる新しいパターン作りの作業ですが、専門家は以下の方法で少しずつ、パターンを変えていく方法を薦めています。
① 問題のパターンを特定する
まずは、あなたの問題のパターンは何かを特定しましょう。
例えば、毎回交際相手選びに失敗してしまう人は、相手に共通する「ダメな部分」を見つけてみてください。
過去の苦い恋愛の思い出を振り返るのは辛いですが、ここはじっくり時間をかけて、今までの交際相手に共通する悪い部分を分析しましょう。
金銭的に不安定だったか?冷たい人だったか?口調が荒い人だったか?暴力的な人だったか?忠実でない人だったか?
過去の交際相手からパターンを見つけ出してください。
② 言葉ではなく、行動に注目
交際関係が始まったら、パートナーの言葉ではなく、行動に注目する様にしましょう。
言葉で「愛しているよ」と言うのは、とても簡単。誰にだってできる事です。
そうではなく、あなたが必要としている時に、パートナーは寄り添ってくれているか?大事にあなたを扱ってくれているか?等、相手の行動をチェックしてください。
言葉だけの褒め言葉、約束を信じるのではなく、彼らの行動パターンが全てです。
例えば、メールの返信をくれない、予定をすっぽかす、一緒にいて欲しい時にいない、などのネガティブな行動は、相手の素の気持ちです。
③ 愛着スタイル
幼少期の家族との関係は、大人になってからの人間関係の構築に大きく影響します。
子供の頃の人間関係作りが、あなたの行動・思考のパターンの大元になるからです。
例えば、親と良好な信頼関係が築けている人は、自分がどんな感情を表現しても人には捨てられない、嫌われないという安心感を持っています。
つまり、どんな顔を見せても親はあなたのことを見捨てなかった為、あなたは「心の繋がり」を感じて、安心します。
反面、幼少期に親と信頼関係を築けなかった人は、常に不安な気持ちを抱きます。
小さい頃に親が共感してくれなかったが故に、人に対して信頼・愛情を持てないまま育ってしまうのです。
この幼少期の親との関係が、大人になってからの交際関係に大きく影響してきます。
まずは、あなたの愛着スタイルは次の3つのうちにどれに当てはまるか見てください。
・安定型:誰とでも仲良くなることができる。うわべだけの付き合いではなく、心と心が繋がった信頼の関係を築ける。
・不安型:親密な関係になりたいけれども、傷つけられるのが怖い。常に、パートナーが自分を愛してくれているか不安になる。もしくは、いつかパートナーに捨てられてしまうのでは?と不安に思うこともある。そんな不安定な情緒が、不安を生み出し、相手を束縛してしまいがち。
・回避型:人を信頼していない。人に頼ることも得意ではない。また親密な関係になることを不快に思う。誰かと一緒に過ごすぐらいならば、一人の方が気楽で良いと思うタイプ。
この愛着スタイルによって、あなたはいつも同じタイプのパートナーを選んでしまっている可能性があります。
④ 紙に書いて見直し
最後に、過去の交際相手に共通したダメな部分を紙に書き出し、定期的に見直しましょう。
特に新しく好きな人ができたときは、その紙を見直すべきです。その好きな人は、過去の交際相手に共通した面を持っていませんか?
今一度、きっちり確認しましょう。
最後に、大事なことは自分自身に優しくなることです。
幼少期から頭の中に組み込まれたパターンを一新しようとする作業は、そう簡単ではありません。
今までのパターンを壊し、新たなパターンを作るのには時間がかかるので、焦らずゆっくりと取り組みましょう。
ただ、新しいパターンをゲットできれば、それが新しいあなたの始まりです。
参考元:Psychology Today