こんな経験ありませんか?
スーパーにお買い物行った時に、試食コーナーでお漬物を試食。
そもそも買うつもりのなかったお漬物を、試食して何だか気まずく感じてしまったり、何も買わずに試食だけすることに申し訳なく感じてしまい、つい店員さんに「おいしい!1パック買います!」と言ってしまった経験ありませんか?
この心理作用を「返報性の原理」と言います。
この「返報性の原理」は恋愛の場面でも活用できるということで、注目を浴びています。
今回は、「返報性の原理」を使った恋愛について深く掘り下げていきます。
・返報性の原理ってなに?
・日常生活に潜んでいる悪用した返報性の原理
・返報性の原理の3つの種類
・恋愛で使うべきなのは「好意の返報性」
・好意の返報性の注意点
・恋愛成就に「好意の返報性」を使う方法
以上のテーマでお話させていただきます。
返報性の原理ってなに?
冒頭でお話した例えで分かるように、返報性の原理とは、人に何かしてもらった時に、「お返ししなくては申し訳ない」と思ってしまう人間の心理状況のことを指します。
やや難しい心理学用語ですが、私たちは日常生活の中で、無意識に返報性の原理の言動を沢山取っています。
例えば、すれ違った人があなたにニコッと微笑みかけたとします。あなたは無意識に、微笑み返すでしょう。
これも、無意識な返報性の原理です。
ニコッと微笑んでもらったのに、無表情で接するのは申し訳ないと思い、無意識にあなたも微笑むのです。
そのほかにも、誕生日プレゼントをもらった際、その人のお誕生日にあなたもプレゼントを渡しますよね?
これも返報性の原理です。
もちろん誕生日を祝福したいという気持ちもあるでしょうが、大半は「プレゼントもらったし、お返ししなくちゃ」という気持ちの元、お返しのプレゼントを渡していますよね?
これらの例で分かるように、返報性の原理とは、人に何かをしてもらった時に、「自分も何かをしてあげないと」と思う気持ちのことです。
特に義理と人情に厚い日本人は、人に借りを作ったら返さなくては!という気持ちを持つことがよくあるでしょう。
日常生活に潜んでいる悪用される返報性の原理
私たちが生活している中に、この返報性の原理を悪用されている場面は多く潜んでいます。
ネットワークビジネスの勧誘
知人から「この○○、とても使い勝手が良いの。20,000円なんだけど良かったら買ってみない?あなたもこの商品を使ってみて他の人に紹介したらチャージバックがもらえるのよ!」と、声をかけられたとします。
すかさず、あなたは「これはネズミ講の勧誘だ!」と気づき、「いや、いいや。」と断るでしょう。
でも、知人から「じゃあ、500円のこの商品はどう?値段もお手頃だし良くない?」と言われたとします。
いかがでしょう?
2回も断るのは申し訳ないし、値段も500円ならばいいかな、と思い、「わかった」と思わず答えてしまいませんか?
これは、まさに返報性の原理に則った勧誘方法です。
宗教の勧誘
宗教の勧誘でも、返報性の原理はよく見受けられます。
「○○教に入ってみない?」と、近所の人に声をかけられたとします。
何かの理由をつけて、あなたは断るでしょう。
それでも、近所の人は「今週の日曜日に、○○教の集まりがあるの。みんなでバザーをやるから、お買い物感覚で遊びに来ない?」と言ってきたとします。
ここでも、あなたは断れるでしょう。
ただ、また懲りずに「来週、友人たちと近所の掃除をするの。別に入信はしなくて良いのよ。ただ、手を借りたいだけなの。」と言ってきたとします。
いかがでしょう?
「2回も断ってしまったし、もう断りづらい。近所の掃除は手伝ったほうが良いだろうな。断ったら申し訳ないな」と思い、あなたは「掃除ぐらいなら手伝います」と答えてしまうでしょう。
これも返報性の原理です。
返報性の原理は、「NO」と言いづらい「良い人」に効果が発揮されるため、普段から人のお誘いを断れない、他人の顔色を伺いすぎてしまう人は、このような悪用された返報性の原理にはくれぐれも気をつけましょう。
返報性の原理の3つの種類
返報性の原理には、3つの種類があります。
① 好意の返報性
好意の返報性とは、こちらが相手に好意を見せた場合、相手も好意を見せてくれる返報性です。
先ほどもお話した通り、通りすがりの人が微笑みかけてくれた時に、あなたも微笑み返しますよね。
この「微笑み」には決して、悪意な意味はなく、好意の意味が含まれています。好意を見せたからこそ、相手も好意を見せてくれる心理作用です。
② 敵意の返報性
敵意の返報性は、好意の返報性の真逆です。
こちらが、敵意を見せると、相手も敵意を見せる返報性のことを指します。
半沢直樹の名言「倍返しだ!」はまさに、敵意の返報性です。
相手に嫌なことをされたから、こちらも敵意をむき出しにしている表現ですよね。
③ 譲歩の返報性
譲歩の返報性とは、こちらが譲歩すれば相手も譲歩する返報性です。
これは、営業の場面でよく見受けられます。
こちらが最初に提示した金額に、相手が難色を示した場合、あなたはさらに値引きした額(譲歩した額)を提示しますよね。
そうすると、相手は「わざわざ値引きしてくれたし、断ったら申し訳ない」という気持ちになり、値引き金額を承諾(譲歩)するのです。
恋愛で使うべきのは「好意の返報性」
それでは、返報性の原理は恋愛にどのように活用すれば良いのでしょうか?
まず、1つ頭に入れておかないといけないのは、恋愛で返報性の原理を使う際は、先ほどお話した「好意の返報性」を使うことです。
たとえ、あなたに好意を寄せていない相手でも、あなたが相手に好意を見せることにより、相手はあなたのことを意識するようになります。
「せっかく好意を抱いてくれているんだから、好きという気持ちを返してあげたいな。」という心理作用に無意識になるのです。
大事なことは、あなたが相手に好意があることを、きちんと相手にわかってもらうことです。
好意の返報性の注意点
恋愛の場面でも効果を発揮してくれる好意の返報性ですが、先に注意点だけ頭に入れておきましょう。
① 突然の告白はダメ!
好意の返報性は、相手に好意を示すことがキーですが、「示す」は「告白」ではないことを忘れないようにしましょう。
「告白すれば、相手も好きになってくれる!」といったシンプルなものではありません。
好意を示すとは、好意があることを匂わせて徐々に二人の距離を縮めることです。突然告白してしまうと、相手は「この人、軽い気持ちで告白しているのかな?」と真剣にあなたと向き合ってくれません。
② 相手の様子をきちんと伺うこと
「好き」という気持ちを示せば、必ず相手もあなたのことを好きになってくれるわけではありません。
好きになってくれる可能性が広まるだけで、必ずではないのです。
あなたが好意の返報性を使っても、相手が難色を示している場合は、それ以上使用するのはやめましょう。
相手があなたを良く思っていないときに、好意の返報性を使ってしまうと、「この人、本当にしつこい!」「気持ち悪い!」とマイナスに思われてしまいます。
相手の状況をしっかりと観察して、好意の返報性を使ってください。
恋愛成就に「好意の返報性」を使う方法
それでは、具体的にどのような「好意の返報性」を使って、気になる相手にお近づきになれるのでしょうか?
① ギブ&ギブの愛情を示す
つい人は、「ギブ&テイク」を求めがちです。
つまり、人に何かをしてあげたときに、見返りを求めてしまいます。
そうではなく、「ギブ&ギブ」の愛情を示すことで、好意の返報性の効果が発揮されます。
「自分はあなたのことが好きなんだけど、君はどうなの?」といった相手の返事を求めるようなニュアンスの好意の示し方は絶対NGです。
あくまでも、「あなたは相手に好意を寄せている」という気持ちだけをアピールするようにしましょう。そこで、相手の気持ちを要求するようなことをしないように。
ギブ&ギブの愛情を示すことにより、相手は自然と「自分もお返ししてあげたい」という気持ちが生まれてくるものです。
② 相手の話をしっかり覚えておく
相手が話した内容をしっかり覚えておくことにより、相手は「この人は自分の話をしっかりと聞いてくれる人なんだ」とあなたに好印象を持ってくれます。
また、ここで好意の返報性が発動し、相手は「こんなにしっかり自分の話を聞いてくれる人なんだから、私もしっかりとこの人のことを見よう」と興味を示そうとするのです。
③ 知人にあなたが好意を寄せていることを伝えてもらう
周りの友人にお願いして、意中のお相手にあなたが好意を寄せていることを伝えてもらうのも、好意の返報性を利用したテクニックです。
もし、相手もあなたに好意を寄せているならば、相手からあなたにアプローチが来ます。もしあなたに好意を寄せていなかった場合でも、あなたのことを確実に意識するようになります。
④ 褒める
とにかく相手を褒めましょう。
どんなに些細なことでも褒めることにより、相手は嬉しくなります。また、褒め続けることにより、「もしかして自分のことが好きなのかな?」と相手に思わせることができます。
つまり、褒める=遠回しに好意を伝えることができ、相手も少しずつあなたのことを意識するようになります。
⑤ 工夫したプレゼントを渡す
プレゼントを渡すことも、好意の返報性を利用したテクニックです。
ただ、プレゼント選びには細心の注意を払わなくてはいけません。
相手が今何を欲しがっているのか、どんなタイミングでもらいたいのかをしっかりと下調べした上で渡しましょう。
決して高価なプレゼントを渡す必要はありません。
例えば、相手が疲れている様子ならば、さりげなくお肌に良い栄養ドリンクを会議後に渡してあげるなど、相手が必要としているものを必要なタイミングで渡すことにより、相手の心は大きく揺れ動きます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
返報性の原理は、詐欺やネズミ講で使われるほど効果抜群なテクニックです。ただ、彼らは間違った使い方で悪用しているので、あなたも使い方を間違えてしまうと、相手から距離を置かれてしまう可能性があります。
大事なことは、「見返りを求めない」ことです。
確かに、返報性なので、こちらが動けば、相手も動くという作用があります。ただ、その効果に期待しすぎてしまうと、無意識に相手が嫌がる言動を取ってしまいがちです。あなたの下心が見え隠れしてしまったり、あなたの気持ちを重く感じてしまったりします。
使い方にはくれぐれも気をつけて、「見返りを求めない」ことを頭に入れて、返報性の原理を使用しましょう。